プラスチックの消費量の削減について

この記事は、Travel Without Plasticと共同で執筆されました

Updated 9 ヶ月 前
保存

プラスチックは1950年代に大量生産が始まって以来、約63億トンが廃棄されています。そして、世界のプラスチック廃棄物はわずか9%しかリサイクルされていないため、埋め立て地や海中に急速に蓄積しています。

ペットボトルやアメニティ、ストローなどのプラスチック製品は何十年もの間標準セットとして提供されてきたことを考えると、プラスチックなしで宿を運営することを想像するのは難しいかもしれません。プラスチック製品は便利かつ「安全」であると考えられ、慣れない環境において新品のプラスチック包装は製品が新鮮、新品、清潔であることを証明するものであるため、ゲストもプラスチック製品に依存するようになりました。 

しかし幸いなことに、様々な宿泊施設が既にサステイナブルな代替手段の使用に切り替えており、実際に成功しています。竹製のストローやステンレス製のボトルなどの新しいソリューションがホスピタリティ業界の従来の習慣に変化をもたらし、ゲストも宿泊施設も適応できることを示しています。   このセクションでは、貴施設のプラスチック消費量を削減することによる環境的、社会的、および経済的メリットについてご説明します。また、Travel Without Plasticの専門家による協力のもと、改善を始める方法に関する実践的なアドバイスもお伝えします。

貴施設にて使用している可能性がある使い捨てのプラスチック製品
水 / 飲料のボトル
ストローまたはマドラー
プラスチック / ポリスチレンのコップ
アメニティのミニボトルおよび爪楊枝
使い捨てのお皿およびカトラリー
食品パッケージ(ヨーグルトの容器、調味料の個包装など)
プラスチック包装のティーバッグ、コーヒーポッド、ミニバーのストックなど
プラスチック包装(清潔なグラス用など)
プラスチックの消費量を減らす4つのメリット
  1. プラスチックは分解するのに最大1,000年かかります: 私たちはプラスチック製品を使用して廃棄した後は気に留めないかもしれませんが、これらの製品のほとんどは私たちよりはるかに長く地球上に存在することとなります。ストローやマドラーは200年、ペットボトルは450年、そしてビニール袋は1,000年も分解されずに存在し続けます。これは野生生物に害を及ぼし、地球の生態系を破壊するうえ、食物連鎖の中にマイクロプラスチックを混入させることにつながります。  
  2. 生産量がまだ増えていることで、炭素排出量も増え続けています: 毎年3億トンの新しいプラスチックが生産されており、私たちが現在の習慣を続けた場合、その数値は2050年までに4倍になると予想されています。発生する炭素排出量は気候変動に大きく加担するだけでなく、石油や石炭などの再生不可能な資源の枯渇につながります。実際私たちは、グローバル・カーボン・バジェット(世界的な炭素のバジェット)を急速に使い果たしています。  
  3. 経費を節約することができますTravel Without Plasticが実施したトライアルでは、客室数が150室の平均的なサイズのホテルがすべての使い捨てプラスチック製品の使用をやめたところ、6ヶ月間で平均約63万円節約することに成功しました。節約できる金額は、宿泊施設の規模や現在使用しているプラスチック製品、採用するソリューションによって異なりますが、これらの統計は、改善を加えることで長期的には貴施設のビジネスにメリットがあることを示しています。   
  4. プラスチック汚染は収益の損失につながります: カリフォルニア州によると、海岸線に流れ着いたプラスチックの破片の処理によって、地域の観光収入にとって年間70億円以上の損失が発生していると推定されています。さらに極端な例として、2018年にフィリピンのボラカイ島は6ヶ月間かけて清掃を行うために完全に閉鎖され、訪問者の受け入れ中止を余儀なくされました。再び開放されて以来、ボラカイ島では使い捨てプラスチック製品は完全に禁止されています。
プラスチックの消費量を減らすには

 

在庫を把握しましょう

プラスチックの使用量を削減するには、まず現在の消費量を理解する必要があります。貴施設にストックしてある使い捨てプラスチック製品の一覧を、量と費用も含めて書き出しましょう。そうすることで、何を削減すれば大きな効果が出るかが一目でわかります。 Travel Without Plasticのイニシアチブの1つであるGreener Guestでは、計算に役立つ既成のスプレッドシートを備えたツールキットをダウンロードできます。どこから始めるべきかを簡単に決められるよう、プロセスがステップごとに案内されています。  

何が必要かを検討しましょう

一覧を把握すると、宿泊施設全体で使用しているプラスチック製品の多さに驚くかもしれません。一覧を吟味し、本当にすべて必要かどうか、また完全に使用をやめられるものや多用途の製品で代替できるものはないかを検討しましょう。  

代替品について調べましょう  

代替できる製品は貴施設の宿泊施設タイプや施設・設備、ゲストの傾向によって異なる場合があるため、プラスチックを削減するための万能な解決策はありません。 市場に出回っている数々のサステイナブルな代替品について調べることで、貴施設にとっての最善策を選択することができます。また、周辺エリアから調達できる製品を調べることで、地域経済へのお金の還元やカーボンフットプリントの抑制につながります。 

以下で、プラスチック製品の代替案をいくつかご紹介します。

アメニティには、個包装のボトルの代わりに詰め替え可能な容器を使用
プラスチック / ポリスチレン製のコップを耐久性のある多目的コップに変更
ボトル入り飲料水の代わりにウォーターサーバーを設置、または水道水が飲める場合はゲストにとってわかりやすいよう明確に表示
再利用可能なボトルをゲストに販売またはプレゼントすることで宣伝(可能な場合)
プラスチック製ストローの代わりに金属製または竹製のストローを用意
プラスチック包装の代わりに、再利用可能な布やリサイクル可能な紙など工夫の効いた代替品を使用

 

スタッフに積極的に協力してもらいましょう

2人のチームであろうと200人のチームであろうと、変更内容について全員がやりがいを感じることが重要です。これを達成する1つの方法はワークショップを開催することで、プラスチックの削減が重要である理由について話し合ったり、スタッフにアイデアを共有してもらうよう促すといいでしょう。

スタッフが熱心であれば、貴施設の新しいソリューションの成功に積極的に貢献してくれるはずです。また、環境のトピックに関してゲストと話すよう促すことができ、ゲストの意識を高めることにもつながります。 

貴施設の取り組みについてゲストに伝えましょう

調査によると、サステイナブルな旅行は旅行者にとって優先事項になりつつあり、58%の回答者が1年前よりもサステイナブルな選択をしたいという意志があると回答しています。したがって、ゲストは不便を感じるよりも、貴施設の取り組みに満足してくれる可能性が高いと言えます。ただしそのためには、貴施設の取り組みについて知らせる必要があります。 まずは、管理画面でサステイナビリティに関する取り組みの情報を更新しましょう。これにより、環境意識の高いゲストが貴施設を見つけて予約しやすくなります。

次に、ゲストの滞在中に正しい情報や推奨事項を伝達していることを確認しましょう。例えば、宿泊施設の各所に案内やカード、パンフレットなどを置くことが考えられます。その際は以下を心がけましょう。

  • ゲストに、貴施設の取り組みについて知らせること 例:「当施設では、プラスチック使用量の削減に努めています。」
  • 取り組みの効果について共有すること 例:「プラスチックの使用を抑えることで、埋め立て地に辿り着くペットボトルをこれまででx%減らすことに成功しています。」
  • 他のゲストについて伝えることで信頼性を上げること 例: 「x%のお客様が再利用可能なボトルを家にお持ち帰りになっています。お持ち帰りになりたい場合は、お知らせください。」

貴施設が提供する情報は、滞在後もゲストに長く影響を与える可能性があります。滞在中に貴施設の取り組みに協力してもらうだけでも素晴らしい結果ですが、帰宅後のゲストの習慣に変化を与えることができたら、貴施設が長期的なインパクトを生んでいると胸を張って言えます。

ユーザーに貴施設の取り組みをアピールしましょう

プラスチックの消費量を削減するための取り組みを開始した、または既にいくつかの取り組みを講じている場合は、弊社のプラットフォーム上に掲載し、ユーザーに周知することができます。 

貴施設では、プラスチックの消費量を減らすために以下の取り組みを行っていますか?

使い捨てミニボトルに入ったシャンプー、コンディショナー、ボディソープを廃止したか、これまでも提供していない
プラスチック製のストローを廃止したか、これまでも提供していない
プラスチック製のカップを廃止したか、これまでも提供していない
ペットボトル詰めの飲料水を廃止したか、これまでも提供していない
ペットボトル詰めのその他の飲み物を廃止したか、これまでも提供していない
プラスチック製のカトラリーや食器類を廃止したか、これまでも提供していない
プラスチック製のマドラーを廃止したか、これまでも提供していない

サステイナビリティに関する弊社の他のガイドを確認

 

 

Image
water

水の消費量の削減

水資源は、昨今さらに希少になってきています。節水は社会にとって喫緊の課題です。旅行業界においても、ゲストにタオルの再利用を求めること以上の取り組みが必要となります。しかし、環境面と経済面のメリットを考えれば、節水には投資する価値が大いにあります。

詳細を見る

Image
Meeting

認定の取得

エコ認定を取得することで、サステイナビリティへの取り組みを表明することができます。ラベルの表示によって貴施設の取り組みの信頼性が増し、環境への意識が高いゲストを呼び込むことにつながります。しかし、優先順位を付けてサステイナビリティの目標へと近づいていく実際の取り組みの過程には、それ以上の価値があります。

詳細を見る

Image
Meeting

サステイナビリティに関する基準値の設定

サステナビリティに取り組むうえで、貴施設の現状は指標となります。現在の炭素排出量や水の使用量などの数値を計測して初めて、目標やプランを立て始めることが可能になります。

詳細を見る

この記事は役に立ちましたか?