動物福祉に関して

この記事は、World Animal Protectionと共同で執筆されました

Updated 4 ヶ月 前
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Booking.comのパートナー施設の皆様は、既に弊社の動物福祉基準に準拠していることと存じます。こちらの原則には、弊社が促進する旅行体験において動物の福祉を優先するという、弊社の取り組みが反映されています。本記事では、動物福祉に関するさらなる詳細をご案内し、行うべきことと行ってはならないことをはじめ、動物福祉が重要である理由や、本件が旅行業界の長期的な存続において考慮すべき重要事項である理由についても取り上げます。

地球に存在する野生生物の驚くべき多様性に触れる体験は、旅行体験の豊かな要素となりえます。しかし残念なことに、人気の観光スポットやアクティビティの多くでは動物の権利が侵害されていることがあり、多くのケースでは虐待が行われています。特に問題のある形式のものは野生動物を用いて娯楽を提供するタイプのもので、人々が野生動物と密接に接触したり、野生動物によるパフォーマンスを見ることができるアクティビティや観光スポットがこれに該当します。これらでは多くの場合、動物にストレスがかかる手順や、動物に不自然または有害な行動をさせる手順が含まれています。

動物福祉とは、飼育下の動物および野生の動物への扱いと、それが動物たちの身体的、精神的健康に与える影響を広く指す用語です。そしてこれは、タイの象や地中海のウミガメをはじめ、テルアビブのホステルの猫、セントラル・パークのアヒルまで、ありとあらゆる状況のすべての種類の動物を対象としています。  

元々存在していた「5つの自由」の考え方に基づいて構築されている「5つの領域」モデルは、動物福祉を理解するための優れたフレームワークとして活用できます。このモデルでは、動物福祉のニーズを満たすために対処しなければならない、福祉の基本的な5つの要素が提唱されています。しかし、野生動物のニーズを完全に満たせるのは野生環境でのみであることを留意しておくことが重要です。  

 

5つの自由 5つの領域
1. 飢えと渇きからの自由 1. 栄養 - 十分かつバランスの取れた、多様で清潔な食物と水を動物が得られることに関係する要素です。
2. 不快からの自由 2. 環境 - 温度、生息環境、空間、空気、臭気、騒音、予測可能性を通じ、快適性を実現する要素です。
3. 痛み、外傷、病気からの自由 3. 健康 - 病気や外傷、障害がないことにより、健康状態が良好で、運動のレベルも良好であることを叶える要素です。
4. (ほとんどの)正常な行動を表現する自由 4. 行動 - 五感を通じた情報獲得や探索、採餌、関係性の形成、遊び、休息などを通じて、多様で新しく、魅力のある環境的な課題を提供する要素です。
5. 恐怖や抑圧からの自由 5. 精神状態 - 前述の4つの機能的領域において肯定的な状況が提示されることにより、動物の精神状態は、恐怖や欲求不満、空腹、痛み、退屈などの否定的な状態を軽減しつつ、喜びや快適さ、活力などの肯定的な状態を主に享受できるようになります。
動物福祉が重要である理由

弊社が動物福祉をサステイナビリティのトピックとして含めているのは、他の生き物を尊重することが根本的に重要であるだけでなく、この観点は旅行業界やホスピタリティ業界の長期的な存続にとっても重要であるためです。Booking.comでは、旅行業界が地球とこの星のすべての生命に悪影響を及ぼさないようにしつつ、世界の美しさを何世代にもわたって保護することを私たちの責務として捉えています。そしてこれこそが、先述の動物福祉基準が弊社のビジネスパートナーの選択に大きな役割を果たす理由です。

貴施設で動物を飼っている場合でも、貴施設が動物に関するアクティビティを手配している場合でも、その動物に旅行業が悪影響を及ぼさないことが重要です。旅行業界は野生動物に関連した観光業と娯楽の継続において大きな役割を果たしており、それゆえに良い変化を生むための強い影響力があると言えます。

私たちが暮らし、世界中から観光客を引き寄せる自然環境は、そこに住む様々な種の生き物によって支えられています。動物福祉を守るために手を取り合うことは、このような自然環境の持続性を保つことにも繋がるのです。

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Turtle
動物福祉を重視することの4つのメリット

1. 将来的な収益に繋がります

様々な動物を見られることは新しい場所への旅の楽しみの一つであり、それは今後も変わることはないでしょう。弊社の2019年の調査からは、世界の旅行者の81%が素晴らしい自然の風景を旅行先選びの重要な要素として捉えていることが分かっており、各地の在来種の動物たちはこの点に直接的な影響を与えます。それと同時に、人々は旅行中に出会う動物たちの福祉についてより多くの情報を得ており、懸念を深めています。大手マーケティング調査会社であるKantar TNSによる2019年の調査によると、観光客の85%は、ツアー会社は野生動物の苦しみに繋がる活動を避けるべきだと考えています。

明確な動物福祉の基準を設けることで、市場を牽引する存在を目指すこともできます。Kantar TNSの同調査では、ツアー会社が娯楽として野生動物の使用を奨励していることを知っていれば、そのツアー会社は使用しないと回答した旅行者は64%を占めました。また、動物虐待を目撃した人の79%は、動物がアクティビティで苦しんでいないことが分かっていれば、そのアクティビティにより多くの料金を支払うことを構わないと答えています。  

2. 貴施設の評判を守ることができます

多くの旅行者はこの問題に関心を寄せるようになっており、動物虐待の現場を目撃した場合にオンラインでそのことについて共有する人をはじめ、旅行中に目の当たりにした劣悪な慣行を止められるよう運動を始める人も増えています。また、SNSやその他の一般公開されているプラットフォームなどにより、これらの活動はこれまで以上に注目されるようになっています。つまり、動物福祉の基準を守ることは、貴施設のブランドの評判に対する長期的な投資となると言えるのです。  

3. 回復力と責任のある観光経済の構築に寄与できます

私たちが自然界に依存していることは、現代ではさほど明らかではないかもしれませんが、依然として確かな事実です。この点は、ビーバーが湿地を作り出し、その湿地が淡水の帯水層の水を補充していることのように、気付きにくいことが大半です。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)のケースのように、人間と自然界との繊細な関係性が浮き彫りになる場合もあります。

私たちを取り巻く自然環境のバランスが崩れると、私たちも必然的に影響を受けることとなります。そのため、野生動物とその自然の生息地の保護は、私たち人間の利益に最も即した行動でもあるのです。このように、生態系の未来を守ることは、私たちが暮らし、働く場所の未来を守ることに繋がります。この責務を担うことで、旅行業界とホスピタリティ業界の回復力を支えることができるのです。  

4. 人々の健康を守る行動を促せます

人間と動物、そして生態系の健康と福祉はお互いに関係しています。実際、現在人間に影響を与えている全病気の約60%、そして新興感染症の75%は、動物と人間との間で感染する病原体によって引き起こされる人獣共通感染症です。したがって、動物福祉の基準を守ることは、道徳や経済の面以外でも重要であると言えます。飼育下にある野生動物を娯楽目的で使用する行為を廃止していくことは、感染症の発生と蔓延を大幅に減らすことで人々の安全性を保つことができるため、この取り組みにおける鍵となります。

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Elephant
動物福祉への取り組みの始め方

動物福祉に関するポリシーを定める  

動物福祉に焦点を当て始める最良の方法は、この課題を貴施設のビジネスの使命とビジョンへと組み込むことです。動物福祉に関するポリシーを定めることで貴施設の意図に具体性を持たせ、貴施設の従業員の方々とパートナーの両者に対し、受容できることとできないことについての明確なガイドラインを提供できます。動物福祉のポリシーを定め、その評価と改善を進める際は、World Animal Protection提供のツールキット(英語のみ)を活用することがお勧めです(詳細は付録2をご覧ください)。  

パートナーとサプライヤーへの監査を行う  

明確なポリシーが設定できれば、現在結んでいるパートナーシップを貴施設独自のガイドラインに沿って評価することが可能となります。貴施設のすべてのサプライヤーが動物福祉のポリシーで示されている基準を満たしているか、改善点はどのような点かなどについて考えてみましょう。また該当する場合は、サプライチェーンから野生生物を用いた娯楽を廃止していき、代わりに責任ある観光関連のアクティビティの提供を開始しましょう。  

ゲストに対して動物福祉について情報を発信する  

ゲストは貴施設と同様に、動物に対する責任があります。サステイナブルで動物に優しい旅行体験を提供することは、貴施設が所在する地域の環境を保護する上で大いに役立ちます。また、野生生物に関連する責任ある観光業に関する案内や表示、リーフレットを用意したりすることは、滞在中だけでなく将来の旅行においてもゲストの行動を導く助けとなるでしょう。

ユーザーに貴施設の取り組みをアピールしましょう

貴施設で野生動物の狩猟や消費、販売、展示、またはその動物との触れ合いが行われていない場合、弊社プラットフォームを通じてユーザーにその旨を伝えることができます。

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