Mother and child at airport

家族旅行ブロガーや専門家が予測する、パンデミック後のトレンドとは

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人気ブロガーや専門家が、ロックダウン終了後の家族旅行に関するトレンドとその対応方法について共有します

旅行業界において、家族旅行は最も大きなセグメントのひとつです。新型コロナウイルス(COVID-19)が流行する前、家族旅行は2022年までに25%近く増加し、その数は3億7,600万件にも上るだろうと予測されていました。パンデミックにより増加のスピードは落ち込みましたが、それでも世界各地の多くの人が大切な家族との再会を待ち望んでおり、ファミリー層は回復途中の業界にとって主要なターゲットであり続けるでしょう。

旅行が少しずつ現実的になってきた今、家族連れがどんなことを考え、計画しているかを紐解くため、人気ブロガーやYouTuber、家族旅行のツアー提供者にお話を聞きました。

旅への欲求と不安

「ベベ・ボヤージュ(Bébé Voyage)」はブログで構成されたトラベル・コミュニティで、コンテンツをネットで見かけた新米パパ・ママの多くが参加しています。最近、コミュニティ内ではコロナウイルス収束後の旅行についての話が活発にされており、共同創設者のMarianne Perez de Fransius氏は「この2週間で、今夏の休暇の計画を始めたい人からの質問が飛躍的に増えました」と述べています。コミュニティ内での最近のアンケートによると、70%の回答者はこれまで旅行のためにお金を貯めてきたため、通常より長めの旅行に出かけたいと答えており、家族連れのユーザーはただ旅行に行きたいだけでなく、消費行動に対しても意欲的であるということが分かりました。

もちろん、こうした熱意も世界を取り巻く現在の状況により若干下火にはなっており、べべ・ボヤージュのコミュニティでは97%がコロナウイルスについて非常に、または多少心配していると答えています。ユーザーの多くが親になったばかりであり、小児用ワクチンがまだ開発中であることを考えるとこれは当然のことと言えるかもしれません。ただし同時に3分の2の回答者が昨年既に旅行をしたと答えており、この矛盾はまさに、家族連れの人々が旅行に対して抱く恐怖と欲求の複雑な関係を浮き彫りにしています。

宿泊施設の皆様においては、施設で行っている衛生に関する取り組みを管理画面ですべて選択し、当サイトのユーザーに提示することでこの絶妙なバランスに訴求することができます。また、アンケートに回答したべべ・ボヤージュのユーザーの70%が、医療インフラが整備され、ワクチン接種率の高い目的地を優先して選ぶと答えていることからも、現地で受けられる医療の選択肢についての情報をゲストに向けて用意しておくのも良いかもしれません。

 

子連れユーザーが検索時に注目するポイント

今回のアンケートからもう一つ学べることは、この不確実な状況のもとでは無料キャンセルが非常に重宝されるということです。実際に89%の回答者が、次の旅行には柔軟な予約条件を探すと答えており、検索時には多くのユーザーが細かいところにまで注意を払って確認を行っています。

Perez de Fransius氏は「コミュニティのユーザーが常々求めているのは、家族向けの宿を絞り込み検索できること」と話しています。同氏は、ホテルは通常チェーン全体で施設・設備等が大抵標準化されているため家族向けかどうかは簡単に判断できると語る一方、「判断がより難しくなるのはバケーションレンタルです。」と述べています。 Booking.omでは「家族向けの宿泊施設」という絞り込み条件や、アプリでの検索時には「家族向けの厳選宿」の強調表示などがあるため、掲載施設様にとって絞り込みに関するこうした希望は朗報と言えるでしょう。

family travel
家族連れはもちろん「プライス・ポイント(支払う価格)」自体にも敏感ですが、支払ったお金に見合う価値も同時に求めています。

 

引き続き堅調なのは国内旅行

Caroline Makepeace氏とCraig Makepeace氏は、22年にもわたって世界放浪の旅を続けており、その途中で2人の女の子を授かりました。旅の様子は「y Travel」ブログや自身のYouTubeチャンネル他、最近では家族旅行にフォーカスしたポッドキャストなどでも紹介されています。

そんな彼らも、今年の夏は地元に近い目的地を探索するようです。Caroline Makepeace氏は次のように述べています。「本当はヨーロッパに行って、イギリスとアイルランドでロードトリップがしたかったんですが、現実的ではないことに気がついて、来年に取っておくことにしたんです。」彼女は他の家族連れ旅行者も同じ行動を取るだろうと考えており、 「海外旅行を検討している人はまだ少ないと思うし、来年まではこの状態が続くと思う」と語っています。

またCaroline Makepeace氏は次のようにも述べています。「パンデミックの渦中にあっても楽しめるというだけでなく、コスパも良いことからロードトリップやキャンプは多くの家族連れ旅行者が選ぶ選択肢になると思います。家族連れ旅行者にとって、お金に関することは常に重要なポイントなのです。州立公園や国立公園に行き、それほどお金のかからないアウトドア関連のことをして過ごすことで、宿泊施設への滞在にかかるより高額なコストを相殺することができるでしょう。」
 

子供料金がさらに注目を集めるように

Makepeace一家は今年もロードトリップを続ける予定で、既に計画している旅行もあるのだそう。「次女と私はこの日曜日に一緒にロードトリップに出る予定で、Booking.comで宿を予約しました。そのときに初めて、子供が2、3、4人の場合で料金が違うことに気がついたんです。」

今年はCaroline Makepeace氏のように、検索時に子供料金の存在に気がついた家族連れのユーザーは少なくないでしょう。ファミリー層に訴求したい場合、子供料金の提供を検討しましょう。子供料金を提供すると、家族連れユーザーがニーズに合った宿泊施設を見つける助けとなる他、自分たちのケースではいくらを支払うのかを予約手続き中に明確に理解することができるようになります。
 

「イントレピッド・トラベル」で見直される家族旅行

「イントレピッド・トラベル(Intrepid Travel)」は、主にY世代やZ世代に向けて様々なツアー旅行を提供している企業ですが、最近では家族連れへの比重も増やしているようです。APACのマネージング・ディレクター、Sarah Clark氏は「数年前に販売を開始して以来、家族旅行は当社の主軸の商品へと成長し続けています。」と述べています。旅の需要が少しずつ戻りつつある今、家族旅行は同社にとって重要な促進力となるもので、「特に2022年に向けての事前予約の増加が見られる」とのことです。 

家族連れのユーザーが旅を予約する際、イントレピッド・トラベルでは自社のカルチャー・プログラムに沿い、地域に根ざしたホテルを探すようにしています。Clark氏は次のように述べています。「家族向けの宿泊施設を探す際には、少なくとも2泊以上の滞在となるようにしています。家族連れは、子供たちが滞在を満喫できるようプールや子供向け施設・設備が備わったホテルを探すことが多く、またお部屋の内容も非常に重要です。」 イントレピッド・トラベルではチェーンよりも小規模なホテルを好む傾向にありますが、家族には隣り合った部屋や近接した部屋を提供するよう努めています。

また家族連れ旅行者が不安を抱えることなく旅行ができ、家に帰れるよう、必要な情報がすべて揃っているかも重視しています。「旅行者の主要な懸念事項のひとつに、海外にいるときにどのように検査を受けることができるのかということがあると思います。」 このような情報は、今年国外から訪れる計画をしている家族連れのゲストに向けて、宿泊施設側が予め用意しておくことができるものです。「私たちは、ユーザーが予定通りフライトに搭乗して家に帰れるよう、検査所の場所を正確に把握しています。」

イントレピッド・トラベルで見られる家族旅行の増加は、「家族との再会」がパンデミック後の重要なトレンドとなることを指し示すものかもしれません。Clark氏は次のように述べています。「コロナウイルス流行前、複数世代で行く家族旅行の人気は徐々に高まっていました。多世代からなる家族が個人旅行を予約しており、現在でもその関心は続いていると言えます。」制限や規制に関し不確かなことが数多くある中で、家族連れの旅行者がパンデミックへの不安から逃れ、密を避けて過ごせる場所として宿泊施設を売り出すことが、成功の道へとつながるかもしれません。

Clark氏は、家族連れは旅行のために多くの貯蓄をしており、これは旅行に対する需要にも比例していると考えています。「国境閉鎖などが解除され次第、人々はすぐに消費行動に対し意欲的になるでしょう。家族連れはもちろん『プライス・ポイント(支払う価格)』自体にも敏感ですが、支払ったお金に見合う価値も同時に求めています。」

 

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子供料金で家族連れにアピール

管理画面で子供料金を設定し、家族連れからの需要を取り込みましょう。

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Topics
まとめ
  • べべ・ボヤージュの行ったアンケートでは、家族連れの旅行者が持つ「世の中の不確実さに対する不安」と、「パンデミックからの回復期に旅行に出たいという欲求」の2つが浮き彫りになりました。
  • また、今年は例年よりお金を使いたいという意思が見られましたが、コスパも同時に重視されています。子供料金を提供し、この需要に訴求しましょう。
  • 「y Travel」ブログを運営する家族は、今年は家族連れにとって通常より長い休暇を取る機会が多くあるだろうと考え、とりわけ離れた家族との再会のための低コストの旅行が増えるだろうと予想しています。
  • イントレピッド・トラベルでは、2022年の旅行の事前予約が増加しており、最近販売が開始された国内の家族旅行に対しての需要も高まっています。