
弊社の調査は8年目を迎え、今年の最新版では35の国・地域の3万3,228名が回答しました。今回の調査は、サステナビリティに関する弊社の調査としてはこれまでで最も広範なものであり、よりサステナブルに旅することは世界中の旅行者にとって依然として重要であることが示されました。
事実、旅行者の4分の3(74%)は、これからの世代のために地球を守るには今すぐ行動を起こし、よりサステナブルな選択をすべきだと考えています。さらに74%の人々は、旅行会社がよりサステナブルな旅行の選択肢を提供することを望んでいます(2022年の66%から増加)。
では、サステナブルな旅行の選択に関して、2023年に旅行者に影響を与えるものとは何なのでしょうか?そして、宿泊施設様はどうすればこの需要を活用できるのでしょうか?以下で詳しくご紹介していきます。
貴施設のサステナブルな取り組みをアピール
世界の旅行者のうち、今年はよりサステナブルな旅行をしたいと答えた回答者は76%に上りました。実際、3分の2近く(65%)の旅行者は、宿泊施設がサステナビリティの認証やラベルを取得していると分かっている場合、その宿泊施設での滞在についてより好ましく感じると回答しています。
サステナビリティの認証をお持ちであれば、それをユーザーにアピールするのが得策です。弊社の「サステナブル・トラベル」プログラムは、認証に関してユーザーにアピールする方法の一つとして活用できます。本プログラムを通じ、旅行者は弊社プラットフォーム上でよりサステナブルな宿を簡単に見つけられるようになります。
弊社の調査によれば、世界の旅行者の半数以上(51%)はサステナブルな旅行の選択肢が十分ではないと感じています。また、旅行ウェブサイト上でよりサステナブルな旅行の選択肢として掲載されたプロダクトやサービスを見たことがある、と答えたのはわずか43%だったことから、ユーザーへの訴求が鍵となります。
そのため、貴施設でサステナビリティに配慮した以下のような取り組みを行っている場合、それらを公表しましょう。
- 使い捨てプラスチックを廃止している
- エネルギー効率の高いLED電球を使用している
- 地元のアーティストが作品を展示するための場を提供している
- 食品廃棄に関するポリシーが定められている
- ゲスト用にリサイクル用ゴミ箱を用意している
これらは、宿泊施設をよりサステナブルにしていくために実行できることのほんの一例で、他にも数多くの取り組みが存在します。よりサステナブルな滞在を求めるユーザーが増えていくなか、貴施設の取り組みをアピールすることはこれらのユーザーを呼び込むことに繋がります。
ゲストのよりサステナブルな行動を特典で奨励
今後1年間でサステナビリティの取り組みを行っている宿泊施設を選ぶつもりはない、という回答の理由として最も多かったのは、「よりサステナブルな旅行の選択肢に、より多くの費用を支払いたくない」というものでした。 さらに、世界の旅行者の49%は、よりサステナブルな選択肢には「お金がかかりすぎる」と考えています。
そのため、割引や金銭的なインセンティブがあれば、よりサステナブルな選択肢を利用しやすくなるだろうと答えた回答者が約半数(49%)に上ったことは、さほど驚くべきことではないでしょう。
同様に、よりサステナブルな旅行の選択を行うことで、後で特典や割引として使える特典のポイントが付与される場合、よりサステナブルな旅行をする動機になるだろうと答えた回答者は全世界で42%を占めました。
また、よりサステナブルな旅行は必ずしも高額なわけではないと強調することは、サステナビリティに配慮した選択をしたいという願望と、費用が高すぎるという認識との差を埋めるのにも役立つでしょう。多くの場合、サステナビリティへの配慮とはハウスキーピングを断ったりタオルを再利用したりするなど、行動を少し変えることを意味します。これらはより多くのお金を支払うことには繋がらず、効果の高い良い変化を生み出すために積み重ねていけます。
小さな変化が大きな違いに
旅行者は、旅行中によりサステナブルな行動を心がけたいという想いを持っています。実際、宿泊施設に滞在する際にサステナビリティについてまったく考えないと答えたのは、回答者のわずか2%でした。
環境により配慮した振る舞いをゲストに奨励したい場合、方法には様々なものがありますが、以下のことを促すのはいかがでしょうか?
- 宿泊施設にいない間は、照明やその他の電化製品の電源をオフにすること(世界の旅行者の77%が既に実行していると回答)
- 宿泊施設にいない間は、エアコンや暖房をオフにすること(67%)
- 同じタオルを繰り返し使用すること(60%)
- ゴミをリサイクルすること(45%)
宿泊施設での過ごし方に留まらず、旅行者は休暇中によりサステナビリティに配慮した行動を取っているようです。観光中の移動手段として、旅行者の43%が徒歩、自転車、または公共交通機関での移動を予定しています(2022年から10%増加)。このため、貴施設がレンタル自転車を提供している場合はそれをアピールしたり、最適なウォーキングルートについてゲストにアドバイスを提供することがお勧めです。また、旅行者の43%はピークシーズンを外して旅行を計画していることから、オフシーズン中の地元のイベントやアクティビティに関する情報を提供することで、この層を取り込めるでしょう。
このような取り組みは小さな変化のように思われるかもしれませんが、積み重なることで大きな違いを生み出すことができます。よりサステナブルな業界を築くには、一丸となって取り組むことが不可欠です。サステナビリティに配慮する旅行者が増え続けるなか、協力してその期待に応えることで、アースデイを今後も末永く祝えるような未来へと向かえるでしょう。
- 世界の旅行者の80%は、サステナブルな旅行は重要であると考えています。
- 1年前と比べて、よりサステナブルな旅行の選択をする意思が強くなったと答えた回答者は59%を占めています。
- 65%は、特定の宿泊施設がサステナビリティの認証またはラベルを取得していると分かっている場合、その宿泊施設での滞在についてより好ましく感じると答えています。
- 51%は、サステナブルな旅行の選択肢が十分ではないと感じています。
- 46%は、旅行中によりサステナブルに行動するためのアドバイスについて、好意的に捉えています。