
弊社のデータによると、多くの旅行者は宿泊施設の予約において、ホテルとバケーションレンタルの選択肢を柔軟に行き来することに前向きであることが示されています。実際、2022年にBooking.com上で予約された全泊数のうち30%以上はバケーションレンタルの予約でした。
料金とロケーションが最も重要な要素であることは驚くべきことではありませんが、旅行者をバケーションレンタルの選択へと向かわせる、他の人気の要素とは一体何でしょうか?
弊社では毎年、世界中の数千~数万人規模の旅行者を対象に調査*を行っており、今年は33の市場の4万2,513名から回答を得ました。これらの回答者が、2023年にレジャー目的でバケーションレンタルに滞在する可能性が高いと回答した場合、次にその関連質問として「意思決定に影響を与えるものは何ですか?」と尋ねました。
この記事では、調査からわかった傾向をご紹介します。
バケーションレンタルを選ぶ理由TOP5
全市場の回答を調査した結果、旅行者がバケーションレンタルを選択する理由として、料金とロケーションに次いで挙げた理由TOP5は以下のとおりでした。
- プライバシー
- 滞在日数
- 客室備品・アメニティ
- セルフサービス施設・設備
- 旅行の同行者
また、この順位は国内旅行者と海外旅行者のいずれにおいても同じだったことから、同じ戦略を使って両方の旅行者に効果的にアピールすることができます。
優れたオーナーであり続けながらプライバシーを提供する
プライバシーは、全市場においてバケーションレンタルを選択する理由の第1位に挙げられ、特にラテンアメリカとアジアのユーザーに重視されています。
自宅から離れた場所にいながら完全にリラックスできる自宅のような環境を提供できることは、バケーションレンタルの魅力のひとつであるため、貴施設のアピールポイントとして活用しましょう。たとえば、滞在中に他のゲストと鉢合わせないことや、設備・アメニティを自分たちだけで利用でき、他のゲストと離れた場所を確保できることなどを強調することは、このような要素を求める人々に貴施設をアピールする絶好の機会です。
もちろん、プライバシーを尊重するとはいえ、優れたバケーションレンタルオーナーの条件の記事でご案内したような、他と一線を画すためのちょっとした工夫をしてはいけないわけではありません。
長期滞在の旅行者を惹きつける
長期滞在を希望するユーザーは、リモートでの仕事のしやすさなど、様々な実用的な理由からバケーションレンタルを選ぶ傾向が高くなっています。
これはすなわち、貴施設にとってはチェックインの手間や、滞在間の清掃回数が少なくなったり、消耗品を交換する必要性が減るなどといったメリットにも繋がる可能性があります。
情報発信やプロセスを長期滞在者向けに集中させ、さらには、長期滞在のインセンティブを追加で提供することで、収益をアップさせるのと同時に、ゲストの人数が少なくても同じ販売泊数を確保することによって業務をよりシンプルにできる可能性があります。
重要視されている客室備品・アメニティを提供する
3番目に挙げられたのは客室備品・アメニティでした。バケーションレンタルには、バケーションレンタルという宿タイプだからこそ提供できる客室備品・アメニティが数多くあります。
何を強調すべきかの詳細については、弊社の記事「バケーションレンタルの紹介すべき8つの備品・アメニティ」でご覧いただけます。
セルフサービス施設・設備を強調する
セルフサービス施設・設備は、客室備品・アメニティにとても良く似た要素ですが、TOP5のうちの第4位にランクインするのも納得できる重要な要素です。これは多くのゲストにとって重要な要素になっていますが、オセアニアのユーザーでは最も重要なものとして挙げられています。
したがって、使いやすい調理設備や様々な種類のキッチン家電など、貴施設でどのようなセルフサービス施設・設備を提供しているかを強調すると、ユーザーの関心を惹きつけやすくなります。
これは、たとえばランドリー施設・設備などを必要としがちな長期旅行者に特に重視されています。
異なる旅行者層のニーズに合った情報を前もって提供する
バケーションレンタルを選択肢に入れる理由の第5位は、旅行の同行者です。
この要素は、家族連れやグループなど、特に収益性の高い旅行者層にアピールできるチャンスになるため、貴施設にとっては、予約件数のアップだけでなく、より収益性の高い予約を獲得できる可能性があることを意味します。
たとえば、家族連れを呼び込むなら、子供に及び得るリスクを最小限に抑えるために子供の安全に配慮していることを訴求したり、すぐそばで家族連れで楽しめるアクティビティがあることを強調したり、ペットと一緒に滞在できる宿泊施設であることをアピールできるでしょう。
グループに対しては、寝具に関してユーザーが事前に計画を立てられるよう、ベッドの数やその他のオプションなど、睡眠に関連するオプションを明確に伝えるとよいかもしれません。また、グループのメンバーが別々に集合する場合に備えて、利用可能な駐車場について強調することも重要になるでしょう。
*調査はBooking.comによって、過去12ヶ月の間に旅行に出かけており、かつ2023年に出かける予定のある成人を対象に独自に行われたものです。調査は世界33の市場で合計4万2,513名を対象に行われました。調査は、オンラインアンケートで2023年の1月または2月に集計されたものです。
- バケーションレンタルの予約を検討する旅行者はますます増えており、2022年にBooking.com上で予約された全泊数のうち、30%以上はバケーションレンタルの予約となっています
- 料金とロケーションに次ぐTOP5の理由として、プライバシー、滞在日数、客室備品・アメニティ、セルフサービス施設・設備、旅行の同行者が挙げられます
- 国内旅行者も海外旅行者もこれらの優先順位は同じであるため、効果的な戦略をとることで両方の旅行者を同時にターゲットにすることができます
- バケーションレンタルは、ますます増え続けるユーザー層に訴求できるだけでなく、特に長期滞在者や家族連れ、グループなどの収益性の高い層にアピールできます