Ink Hotel

INK Hotelのサステナビリティへの道のり:鍵となるのはインクルージョン&ダイバーシティ

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アムステルダム中心部に位置するINK Hotel(インクホテル)のゼネラルマネージャー、Jolanda Sadni Ziane氏は、当ホテルにとってポジティブな改革を行うには、従業員やゲストを含めた全員が、自分もその一部だと感じられることが鍵となると話します。

INK Hotelでは年間5万人を超えるゲストをお迎えしています。この規模は地域社会や、ひいては地球全体に大きな影響を及ぼし得るものであり、私たちが起こす行動、共に働く人々、そして私たちのエコシステム(他企業との協業・連携により共存していく仕組み)の3つにおいて健全なバランスを保つことは私たちの責任であると常に感じています。また、当ホテルに滞在されるゲストの多くにおかれましても、サステナビリティや社会的責任を重大な課題として考えていただいています。 

私たちはAccor(アコーグループ)の一員として、従業員、ゲスト、パートナー、地域社会のすべてにとってポジティブなおもてなしを提供することを目標に、「Planet 21プログラム」に参加しています。目標の達成に至るには難しいこともありますが、目標を小さく分けて現実的な時間枠に落とし込み、チーム一丸となって取り組むようにしています。  

こうした努力の積み重ねは、短期的な目で見れば水やエネルギー、食糧にまつわるコストの節約につながっており、長期的に見ればより良い世界の構築への貢献となるものです。私たちは、世界を変えることはできなくても、自分たちから変わることはできる―こういった信念を掲げ、規模の大小にかかわらず、この信念をもとに日々業務に従事しています。 

すべての人の協力あってこそ

サステナビリティへの道のりをはじめるにあたり、サステナブルであることは、単にチェックリストにチェックを入れていくということに留まらないことに気づきました。そこで従業員へのトレーニングを行い、部屋を出るときには電気を消す、清掃にはサステナブルな製品を使用するなど、仕事中にサステナブルな振る舞いができるよう心がけさせるほか、食品廃棄削減プログラムなども導入しました。 

また私たちは、ゲストにも同様の意識を持っていただけるよう働きかけを行っており、多くの方が賛同してくださっています。例えばタオルの再利用をしていただければ、その分水やエネルギー、ランドリーサービスの節約につながり、そうして節約・貯蓄された資源の50%は、アグロフォレストリー(混農林業)に関するプロジェクトに再投資しています。

Folding towels

 

これに加えて、使い捨てプラスチック製品の廃止、サステナブルなアメニティの導入、食肉・魚肉生産が地球に及ぼす影響に配慮した当ホテル看板メニューのベジタリアン料理など、ゲストの目につくところで行っている取り組みについてはしばしば高い評価をいただいております。またゲストに見えない箇所についても、館内全体でシャワーや蛇口に節水装置を取り付けたり、エネルギー効率の良い電球を使用するなど、数多くの取り組みを行っています。

中でもゲストの皆様からもっとも好評なのは、屋上に設置されている蜂の巣箱で採れたハチミツとハーブガーデンです。蜂の巣からは年間およそ100リットルのハチミツを採取でき、朝食のビュッフェやカクテルの材料に使用したり、小瓶に入れてゲストにプレゼントしたりしています。ゲストが実際に味わい、親近感を持ってもらえる取り組みであることから、サステナビリティに関するコミュニケーションとしてはとても効果的と言えると思います。 

コミュニティへの貢献

当ホテルには、17の言語を話す24の国・地域出身の従業員が在籍しています。サステナブルであるということは、関わる人々の心を育てることでもあります。お互いを認め、励まし、尊重し合い、またお互いの違いによって心を豊かにすることは私たちが基本的な方針としていることで、皆で一丸となって成功を収めるための鍵となることです。

私たちは、「ダイバーシティとジェンダー平等」「民族的・社会的・文化的背景の多様性」「複数の世代間の連携」「障がいを持つ人たちとの協調性」の4つを理念の主軸としています。この理念を実現するため地域に根ざした活動のいくつかも支援しており、そのひとつには「IMCウィークエンド・スクール」という、社会的・経済的に不利な立場にある子供たちを迎え、ホスピタリティ業界へのキャリアをひとつの可能性として紹介する学校へのサポートも含まれます。

Honey

 

当ホテルでは、地域のコミュニティを盛り上げるためのイベントも開催しています。Pride開催期間には、LGBTQ+コミュニティの権利に対する人々の意識を高めるべく、6年連続で「PINK Hotel」に姿を変え、数多くのゲストを迎えてPride週間を共にお祝いしています。またロビーは展示スペースとして開放しており、アーティストは作品を無料で展示・販売することが可能です。ちなみに展示は常に当ホテルや地元アムステルダムでの生活、または社会的トピックにまつわるものとなっています。   

このように私たちは、さまざまな状況下で不利な立場にいる人々に力を与え、地域に根ざした活動を支援し、ゲストの体験や他企業とのパートナーシップの両方を強化していけるようなコミュニティのルーツ作りに邁進しています。

「サステナビリティ」を優先事項に

サステナビリティに関する新しい取り組みを優先して行うことは、ときに難しいこともあります。すべてのホテルにおいて、日々の業務に対する需要が上がれば、サステナビリティ関連のプロジェクトは必然的に優先度が低くなります。例えば、現在私たちはシャンプーやソープの使い捨て容器を廃止し、再利用可能なディスペンサーに差し替えているところですが、特に去年のような厳しい状況下においては、こうしたプロジェクトが最優先というわけにはいかないこともあります。こうした難しい状況を乗り越えるためには、意欲的な目標を立てた上で、明確なアクションプランを作り、それに沿って段階的に行動を起こしていくことが鍵となります。

もっとも重要となるのは、オンライン上やホテル内にて、こうした私たちの取り組みについて発信していくことです。今、かつてないほど多くの旅行者が、ホテルで行われているサステナビリティ関連の取り組みについての情報を求めています。取り組みを一からすべて発信するのは不可能ですが、Booking.comに新しく導入された「サステナブル・トラベル」のラベルは、その宿に滞在しようとしているゲストに対し、サステナブルな旅の選択をしているという安心感を与えてくれる透明性の高い方法だと思います。

もっとも価値のある「旅」というのは、試行錯誤し、成長できる旅のことだと思います。道のりの途中で間違いをしてしまうことはもちろんありますが、その間違いからどうやって軌道修正するのか、人は学んでいくものです。一番重要なのは、自分がどうしてその道のりにいるのか、その理由を決して忘れないことです。理由を忘れずにいれば、歩みを続けられることでしょう。

 

Building a sustainable travel framework for accommodations
貴施設のサステナビリティへの取り組みをアピールしましょう

サステナビリティに関する取り組みを実施している場合、 取り組みの内容を貴施設ページで表示しましょう。 

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まとめ
  • チームの一人ひとりが、サステナビリティへの取り組みにおけるそれぞれの役割を担っています。適切なトレーニングや教育を行いましょう。
  • INK Hotelが屋上に蜂の巣箱を設置し、採れたハチミツをゲストへのギフトにしているように、ゲストが親近感を持てる取り組みを取り入れてみましょう。
  • 地元のアーティストへの支援など、地域社会を大切にすることもサステナブルな行動において重要な要素となります。